「心疾患で障害年金を申請したいと考えているんだけど、障害年金は申請できるのか?」
「心疾患でも重度じゃなければもらえないのでは?」
このような悩みを抱え、障害年金を検討あるいは、あきらめていらっしゃる方らの相談をたくさん受けます。
ご安心ください。心疾患による障害年金の申請は可能です。ただし、まずは入り口として納付要件・初診日・障害の状態の三つを満たしていることが重要です。
そこで今回は、心疾患による障害年金申請のポイントについて、専門家である社会保険労務士が解説します。
心疾患とは?
血液には、全身の臓器や組織に必要な酸素や栄養を運び、いらなくなった二酸化炭素や老廃物を回収するという役割があります。この血液を全身に循環させているのが心臓で、生命を維持するための重要な役割を担う臓器の1つです。
心疾患とは心臓に起こる病気の総称で、心疾患の大部分を占めているのが「虚血性心疾患」です。虚血性心疾患とは、心臓の筋肉(心筋という)へ血液を送る冠動脈の血流が悪くなって、心筋が酸素不足・栄養不足に陥るものをいい、狭心症や心筋梗塞も虚血性心疾患に分類される病気です。
心疾患の特徴
心疾患は心臓の病気を表す総称で、一般に心臓病といわれることもあります。
心疾患に分類される病気や状態には、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患、弁膜症、心筋症、不整脈、心不全などがあります。
なかでも、心疾患患者の大部分を占めるのが虚血性心疾患です。
虚血とは、冠動脈(心臓の血管)が狭くなったり閉塞したりすることで、心筋へ十分な血液を送れなくなる状態を指します。
狭心症、心筋梗塞のいずれも冠動脈に異常を生じますが、
心筋梗塞は完全に閉塞しているのに対して狭心症は完全に閉塞していないという特徴があります。特に心筋梗塞は突然死の原因の多くを占める病気で、早めに適切な治療を行うことが大切です。
3大疾病について
3大疾病とは、日本人の3大死因ともいわれる「がん・心疾患・脳血管疾患」という3つの病気を指します。ここでは、3大疾病の「がん・心疾患・脳血管疾患」とはどのような病気なのかについて解説します。
がん
がんは悪性腫瘍とも呼ばれる病気で、大腸がん・肺がん・胃がん・乳がんなどのさまざまな種類があります。日本人の2人に1人は一生のうちにがんと診断されるほど身近な病気です。昔は不治の病というイメージもありましたが、検査や治療の方法は日々進歩していて、早期発見によって効果の高い治療を受けることも可能になってきています。
参照:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html
心疾患
心疾患とは、心臓に起こる病気のことを指します。様々な種類がありますが、代表的なものとしては虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)、不整脈、心不全などがあります。日本人の死因としてはがんに次いで多い病気であり年間20万人以上が心疾患で亡くなっています。
参照:厚生労働省「令和3年(2021)人口動態統計(確定数)の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei21/dl/11_h7.pdf
脳血管疾患
脳血管疾患とは、脳の血管で発症する病気の総称です。最も代表的なものが脳卒中で、脳の血管が破れることで発生するくも膜下出血・脳出血、脳の血管が詰まることで発生する脳梗塞などがあります。脳卒中は命にかかわる病気であり、一命をとりとめた場合も後遺症によって身体に障害が残るなど、罹患によって生活が大きく変わってしまう可能性のある病気です。
心疾患の治療法
心疾患の治療方法としては以下の3つの方法が代表的です。疾患により複数の治療方法を組み合わせて行われます。
- 薬物療法
虚血性心疾患では、狭くなった冠動脈の血管を拡げて発作を予防するカルシウム拮抗薬や、
血栓をできにくくする抗血小板薬などが用いられます。
慢性心不全の場合には、むくみや息切れなど心不全の症状を抑える利尿薬・強心薬とともに、心不全の進行そのものを抑えるベータ遮断薬・ARB/ACE阻害薬という薬で治療をすることができます。
また、再発を予防するため、心疾患を悪化させる高血圧・糖尿病などの薬物治療もあわせておこなうこともあります。
- カテーテル治療
カテーテル治療とは手や足の血管からカテーテルという細い管を挿入する方法で、主に虚血性心疾患の治療に使用されます。
バルーンで冠動脈を拡げ、ステントいう金属製の筒を挿入することで狭窄や閉塞を改善します。また、頻脈性不整脈では心臓の中にある、その原因となっている部分を電流で焼くアブレーションという治療に、心臓弁膜症では人工弁を設置するためにカテーテルを用いるなど、外科手術と比較して負担の少ないカテーテル治療はさまざまな心疾患で活用されています。
- 外科手術
重度の心疾患の場合、外科手術で治療をおこなうこともあります。虚血性心疾患では狭窄・閉塞した冠動脈の迂回路を作るための「冠動脈バイパス手術」を、
心臓弁膜症では弁の機能を回復させるための「弁置換術」「弁形成術」などが用いられます。
これまでは全身麻酔下で人工心肺を使用し、一時的に心臓を止めながら手術をする開胸術という方法がとられてきましたが、
一部の手術では低侵襲手術(MICS)という少ない切開で負担を小さくする方法もおこなわれるようになってきました。
心疾患で障害年金をもらうには
心疾患による障害の対象となる傷病として、
弁膜症、心筋疾患、虚血性心疾患、慢性心包炎、難治性不整脈、ブルガタ症候群、リウマチ性心包炎、大動脈疾患、先天性心疾患、慢性心不全、拡張型心筋症、重症心不全、冠状動脈硬化症、狭心症、大動脈弁狭窄症、心筋梗塞、慢性虚血性心疾患、僧帽弁閉鎖不全症、悪性高血圧、高血圧性心疾患などがあります。
また、心臓ペースメーカー、ICD、人工弁を装着した場合、障害年金の対象となります。
装着した日が障害認定日
ペースメーカー、ICD、人工弁を装着した場合、それらを装着した日が初診日から1年6か月を経過する前であれば、装着した日・施術日が障害認定日となります。
この場合は、初診日から1年6か月が経過していなくても請求ができます。
心疾患による障害の認定基準
心疾患による障害の程度は、呼吸困難、心悸亢進、尿量減少、夜間多尿、チアノーゼ、浮腫等の臨床症状、X線、心電図等の検査成績、一般状態、治療及び病状の経過等により、総合的に認定するものとし、当該疾病の認定の時期以後少なくとも 1 年以上の療養を必要とするものであって、長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のものを 1 級に、日常生活が著しい制限を受けるか又 は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものを 2 級に、また、労働が 制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のものを 3 級に該当する ものと認定する。
と、されています。
さいごに
ここまでに、心疾患とは?障害年金をもらうためには、など心疾患による障害年金について解説しました。
無料相談は完全予約にて承ります。
事務所まで、来所できない方へ朗報です。
私共は、障害年金を必要とされている方に寄り添ってお届けすることを目指しています。
しかしながら、体調が優れなかったり、移動が困難だったり、体にハンディを抱えていらっしゃるからこそこのような悩みを抱え申請へのハードルが高いことも承知しております。
そこで、名東区、守山区、日進市、長久手市、尾張旭市、瀬戸市など自動車移動で
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ぜひ、この機会にご活用ください。
また、申請のご依頼を頂いた方へ
移動困難や主治医へ説明が難しい方、病院へ同行サポートも致します。
※介護タクシー等での移動サポートは除きます。
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