大人の発達障害で障害年金を考えるときのポイント

「仕事は何とか続けているけれど、毎日いっぱいいっぱい…」
そんな状態だと、“働いている=障害年金は無理”と思い込んでしまう方が少なくありません。

でも、障害年金は病名だけでも、就労の有無だけでも決まる制度ではありません。
大切なのは、どんな支援や配慮があって、どこまで生活や仕事に支障が出ているかです。
特に発達障害のケースは、見た目では困りごとが伝わりにくいぶん、整理の仕方が結果を左右しやすい分野です。 日本年金機構 厚生労働省

       

「働いている」と「受給できない」はイコールではありません

   

障害基礎年金2級は、日常生活が極めて困難で、労働によって収入を得ることができないほどの状態が目安です。
一方、障害厚生年金には3級があり、労働が著しい制限を受ける状態も対象になります。
つまり、就労していても、仕事内容・勤務継続の安定性・周囲の援助の大きさによっては検討余地があります。 日本年金機構 日本年金機構

 ・フルタイムでも、実際は業務を大幅に絞っている

 ・遅刻・欠勤・休職を繰り返している

 ・対人調整や段取りが難しく、強い配慮がないと勤務維持できない

 ・一人暮らしや家事管理でも、日常的な支援が必要

 ・こうした事情は、「働けている」ではなく「支えられて何とか維持している」可能性を示す大事な材料です。

   

2026年の実務では「診断名」より「具体的な生活障害」の見せ方が重要です

   

発達障害の請求では、診断名そのものより、生活と就労の実態がどこまで不安定かが伝わるかが大切です。
厚労省の調査報告では、令和6年度の新規裁定で全体の不該当率は13.0%、精神障害では**12.1%でした。
さらに、精神障害の不支給事案では、ガイドライン目安より下位等級と判断されたケース等が
75.3%**を占めています。
「困っている」は伝わっても、困り方の重さ・頻度・継続性が十分に伝わらないと、評価が下がりやすいことがうかがえます。 厚生労働省

特に整理したいのは、次のような点です。

 ・指示がないと動けない、優先順位づけが難しい

 ・ミスの連発で配置転換・業務軽減を受けている

 ・感覚過敏や対人ストレスで出勤が不安定

 ・金銭管理、通院管理、服薬管理に家族支援が必要

 ・一見働けていても、私生活が崩れている

   

申立書・診断書で落としたくないチェックポイント

   

発達障害の請求では、病歴・就労状況等申立書診断書の整合性がとても大切です。
「働いている」とだけ書かれると強く見えてしまうため、どんな制限の中で働いているのかまで落とし込むのがコツです。 日本年金機構

   

 確認したい項目   書けると強い内容
 勤務形態  短時間勤務、在宅中心、配置配慮あり
 配慮内容  指示の具体化、対人業務免除、休憩配慮 
 仕事の安定性  欠勤、遅刻、休職、離職の反復
 日常生活  家事、金銭管理、通院、服薬の援助
 周囲の支援  家族、支援員、上司のフォローの有無

   

まとめ

   

大人の発達障害で障害年金を考えるときは、「働いているか」ではなく「どの程度の支えがあって、どれだけ無理をしているか」を整理することが出発点です。
もし今、仕事を続けながらも生活が崩れているなら、就労の事実に引っ張られすぎず、実態を言語化する準備から始めてみてください。
その一歩が、受給可能性を正しく見極める近道になります。 厚生労働省 日本年金機構


   

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代表の社会保険労務士 山口高弘は、自動車メーカー勤務をはじめ、製造業・土木・保険営業など幅広い業界での経験を経て、猛勉強の末、平成14年に社会保険労務士試験に合格。同年12月に開業しました。 

開業以来、自動車アフターマーケット業界、某有名菓子メーカー、不動産業、車検・整備工場・クリーニング・美容室チェーン店など多様な業種を支援し、累計1,000回を超える企業研修・講演実績を持つ実務家です。

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