迷っている時間が、将来の受給開始を遅らせてしまいます。今すぐご相談ください。

このコラムを通じて、障害年金申請で悩む方が一人でも多く、希望を手にされることを願っています。

予期せぬ病気やケガで、これまでのように働けなくなり、休職や退職を余儀なくされた。治療費はかさむのに、収入は途絶えてしまう…と、目の前が真っ暗になっていませんか？

会社員や公務員の方が、病気やケガで働けなくなった時に利用できる公的な所得保障制度には、主に2つあります。健康保険から支給される「傷病手当金」と、年金制度から支給される「障害年金」です。

この2つの制度は、名前は似ていますが、全くの別物です。そして、その仕組みを正しく理解し、上手なタイミングで活用することが、あなたの療養生活を経済的に支える上で、非常に重要になります。この記事では、傷病手当金と障害年金の違いと、賢い活用法について解説します。

あなたの生活を守る「2つの柱」

傷病手当金と障害年金は、それぞれ役割と期間が異なります。大まかに言うと、傷病手当金が「短期・中期」の生活を支える柱であり、障害年金が「長期」の生活を支える柱です。この2つの柱を、切れ目なく繋いでいくことが、安心して療養するための鍵となります。

まずはコレ！短期的な生活を支える「傷病手当金」

▪️もらえる期間：最大で1年6ヶ月間

▪️もらえる金額：おおよそ、給与の3分の2

▪️役割：働けなくなってから、当面の生活費を補うための、短期的な所得保障です。まずは、ご自身の会社の担当部署に相談し、この傷病手当金の申請手続きを行いましょう。

長期的な生活の基盤となる「障害年金」

▪️もらえる場所：年金制度（日本年金機構）

▪️もらえる期間：障害の状態が続く限り、生涯にわたる可能性も

▪️もらえる金額：年金の種類や等級、家族構成によって異なる

▪️役割： 1年6ヶ月を過ぎても、病気やケガが治らず、長期的に生活や仕事に支障がある場合の、恒久的な所得保障です。

両方もらえる？「併給調整」の仕組み

同じ病気やケガを理由として、傷病手当金と障害年金を同時に、満額でもらうことはできません。もし、受給期間が重なった場合は、「併給調整」が行われます。

▪️原則：障害年金が優先されます。

▪️障害年金の額が傷病手当金の額より多い場合→傷病手当金は支給されません。

▪️障害年金の額が傷病手当金の額より少ない場合→その差額分が、傷病手当金として支給されます。

【重要】申請のベストタイミングと、移行の注意点

最も理想的な流れは、傷病手当金を受給している間に、障害年金の申請準備を進めることです。障害年金は、原則として初診日から1年6ヶ月が経過しないと申請できません。これは、奇しくも傷病手当金の支給期間（最大1年6ヶ月）とほぼ同じです。つまり、傷病手当金の支給が終わる頃を見据えて、初診日から1年が過ぎたあたりから障害年金の準備を始め、1年6ヶ月の障害認定日が来たら速やかに申請することで、収入が途切れる期間を最小限に抑えることができます。

まとめ：制度を正しく理解し、切れ目のない保障を

傷病手当金と障害年金は、働けなくなったあなたを支えるための、連携したセーフティーネットです。しかし、どちらもご自身で申請しなければ、受け取ることはできません。休職・退職されたら、まずは傷病手当金、そして、療養が長引きそうであれば、早めに障害年金の準備を始める、という流れを覚えておいてください。