迷っている時間が、将来の受給開始を遅らせてしまいます。今すぐご相談ください。

このコラムを通じて、障害年金申請で悩む方が一人でも多く、希望を手にされることを願っています。

    

現在、障害年金を受給されているあなたへ。数年に一度、誕生月に送られてくる「障害状態確認届（診断書）」の提出、いわゆる「更新」の手続きの時期が近づくと、「もし、今回の更新で打ち切られてしまったら…」と、大きな不安を感じていませんか？

障害年金は、あなたの生活を支える大切な命綱です。その命綱が、ある日突然断ち切られてしまう「支給停止」は、絶対に避けなければなりません。

この記事では、更新手続きで支給停止という最悪の事態を避けるために、更新時の診断書作成で注意すべき重要なポイントについて、詳しく解説します。

　  

更新手続きは「現状維持」が目的ではない

　　     

障害年金の更新手続きは、単に受給資格を延長するための形式的なものではありません。これは、「提出された診断書の内容に基づき、現在のあなたの障害状態を、改めて審査・認定し直す」という、非常に重要な手続きです。新規申請時と同じくらいの緊張感を持って、慎重に準備を進める必要があります。

   　

なぜ「支給停止」が起こるのか？

   　　

支給停止が起こる最大の理由は、「提出された診断書の内容から、前回の手続き時よりも、症状が改善したと判断された」からです。ご本人にそのつもりがなくても、診断書の内容が実態よりも「軽く」書かれてしまうと、等級が引き下げられたり（減額）、支給停止になったりするリスクが生じます。特に、精神疾患の場合は、症状の波があるため、注意が必要です。

　　     

ポイント①：主治医に「前回の診断書の内容」を伝えない

     

良かれと思って、数年前に提出した診断書のコピーを、今回の更新の参考に先生にお渡しする方がいます。しかし、これは非常に危険です。多忙な先生が、深く考えずに前回の内容をそのまま書き写してしまうと、「この数年間、状態に変化はなかったが、改善もしていない」という本来の意図ではなく、「数年前の軽い状態で、今も変わりない」と判断されかねません。更新は、あくまで「現在のありのままの状態」を、新たに診断してもらうものだと考えましょう。

 

ポイント②：「この数年間、変わらずに困っていること」をメモにまとめる

     

更新時の診断書依頼でも、新規申請時と同様に、日常生活で困っていることをまとめたメモを先生にお渡しすることが極めて有効です。

▪️変わらず続いている症状や困難さ

▪️新たに出てきた症状や問題

▪️ご家族や周りのサポートが、以前とどう変わったか（または変わらず必要か）

といった点を具体的に記述し、「症状は固定しており、良くなってはいません」ということを、客観的な事実として伝える手助けをします。

 

ポイント③：就労状況の変化は、特に具体的に伝える

もし、更新までの間に、働き始めた、あるいは労働時間を増やした、といった変化がある場合は、特に注意が必要です。単に「働いています」とだけ伝わると、「就労できるほど改善した」と判断されてしまいます。

▪️職場でどのような配慮を受けているか

▪️欠勤や早退の頻度

▪️業務内容が、障害の特性に合わせて制限されているか

といった、「援助や配慮がなければ、就労が維持できない状態であること」を、具体的に伝える必要があります。

 

もし、支給停止や等級変更の通知が届いてしまったら

万が一、支給停止や等級の引き下げ（減額）の通知が届いてしまった場合でも、諦める必要はありません。その決定に不服がある場合は、通知を受け取った日の翌日から3ヶ月以内であれば、「支給停止事由消滅届」の提出や「審査請求」といった、不服申立ての手続きを取ることができます。すぐに専門家にご相談ください。

 

まとめ：更新は、油断せず、毎回が真剣勝負です

一度受給が決まると、つい安心してしまうお気持ちはよく分かります。しかし、更新手続きでの準備を怠ると、突然、生活の基盤を失うことになりかねません。あなたの安心した生活を守り続けるために、更新手続きも、専門家である私たちと一緒に、万全の準備で臨みましょう。