障害年金をもらうと、会社にバレる？家族に知られる？よくある誤解を解消します

障害年金の申請を考えているけれど、「もし受給が決まったら、その事実が会社に知られて、働きにくくなるのではないか…」「家族や周りの人に、障害者だと分かってしまうのが怖い…」といった、プライバシーに関する不安から、申請に踏み切れないでいませんか？

障害年金は、あなたの生活を支える非常に重要な制度ですが、それを取り巻く社会の目や誤解が、申請への高いハードルとなっていることも事実です。

この記事では、そんなあなたの不安を解消するために、障害年金の受給とプライバシーに関する、よくある誤解について、専門家が明確にお答えします。

あなたの個人情報は、固く守られています

大前提として、日本年金機構の職員には、厳格な守秘義務が課せられています。あなたの障害年金に関する情報が、あなたの同意なく、第三者（会社や、手続きに関係のない家族など）に漏れることは、法律で固く禁じられています。どうぞ、この点をまずご安心ください。

誤解①：「年金事務所から会社に連絡が行き、受給がバレる」は本当？ 答え：いいえ、バレません。

年金事務所が、障害年金の審査や決定に関して、あなたの勤務先に連絡をすることは、原則として一切ありません。あなたが障害年金を受給しているという情報は、あなたと年金事務所だけの個人情報です。会社に知られるとすれば、それは、ご自身でその事実を話した場合か、あるいは、申請に必要な書類（勤務状況の証明など）を会社に依頼した場合に限られます。

誤解②：「年末調整や住民税で、会社に知られてしまう」は本当？ 答え：いいえ、バレません。

障害年金は、所得税法上「非課税所得」です。そのため、年末調整の際に会社に申告する必要は一切ありませんし、住民税の計算にも含まれません。会社の給与担当者が、あなたの所得情報から障害年金の受給を知ることは、不可能です。

誤解③：「家族に、内緒で手続きを進めることはできない」は本当？ 答え：原則として、可能です。

申請手続きや、年金事務所からの通知（年金証書など）は、全てご本人様宛に行われます。そのため、同居のご家族に知られずに手続きを進め、受給することも、物理的には可能です。ただし、申請にはご自身のこれまでの人生を振り返る作業が必要なため、信頼できるご家族の協力を得た方が、よりスムーズに進められることが多いのも事実です。

働きながら受給する場合の、現実的な注意点

障害年金を受給しながら働くこと自体は、全く問題ありません。しかし、特に精神疾患の場合、更新時の審査で、現在の就労状況が「症状が改善した」と判断される材料になることがあります。そのため、会社に障害のことを開示し、必要な配慮（時短勤務、業務内容の変更など）を受けながら働く方が、結果として、安定して年金を受給し続けられるケースが多いです。プライバシーを守ることと、安定した就労・受給を続けることのバランスを、考える必要があります。

まとめ：プライバシーの不安は、正しい知識で解消できます

「会社にバレるのでは」「周りに知られるのが怖い」といった不安は、制度に対する誤解から生じていることがほとんどです。障害年金の受給は、あなたのプライバシーが尊重された上で、進められます。どうか、不要な心配で、あなたの正当な権利を諦めないでください。