人工肛門の障害年金はいくら?

大腸がんや潰瘍性大腸炎、クローン病などの治療で人工肛門(ストーマ)を造設された方の中には、「障害年金は受け取れるのだろうか」「もらえるとしたらいくらくらい?」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。人工肛門の造設は、日常生活に大きな影響を与えるため、障害年金の対象となる可能性があります。この記事では、人工肛門で障害年金を申請する際のポイントや受給額について、わかりやすく解説します。

人工肛門(ストーマ)は障害年金の対象になる?

結論から言うと、人工肛門を造設した方は障害年金の対象となる可能性があります。障害年金は、病気やけがによって日常生活や仕事に支障が出ている方を支える公的な制度で、人工肛門のように身体機能に永続的な変化が生じた場合も認定対象に含まれます。

認定される障害等級の目安

人工肛門の状態に応じて、おおむね以下のように認定される傾向があります。

  • 3級:人工肛門を造設している場合(厚生年金加入者のみ)
  • 2級:人工肛門に加えて、新膀胱の造設または尿路変更術を施した場合、もしくは人工肛門と完全排尿障害が併存する場合
  • 1級:人工肛門と新膀胱、さらに排便・排尿機能に著しい障害がある場合など、複数の障害が重複し日常生活が極めて困難な場合

なお、障害基礎年金(国民年金加入者など)には3級がないため、人工肛門単独では受給が難しいケースもあります。この点は加入していた年金制度によって大きく結果が変わるため、注意が必要です。

人工肛門で受け取れる障害年金の金額

令和8年度の障害基礎年金の金額は以下のとおりです。

  • 障害基礎年金1級:年額 1,059,125円(月額約88,260円)
  • 障害基礎年金2級:年額 847,300円(月額約70,608円)

厚生年金加入中に初診日がある方は、これに加えて障害厚生年金が支給されます。障害厚生年金は、加入期間や報酬月額によって金額が決まるため、人によって支給額が異なります。3級の場合は障害厚生年金のみの支給となり、最低保障額が定められています。

障害認定日の特例に注意

通常、障害年金は初診日から1年6か月後の「障害認定日」を基準に審査されますが、人工肛門の場合は造設日から起算して6か月を経過した日が障害認定日となる特例があります。この特例を知らずに申請のタイミングを誤ると、本来受け取れたはずの年金を逃してしまう可能性があります。

申請時のチェックポイント

人工肛門で障害年金を申請する際は、次のポイントを必ず確認しましょう。

  • 初診日の特定:原疾患(がん・炎症性腸疾患など)で初めて医療機関を受診した日を確認
  • 保険料納付要件:初診日の前々月までの保険料納付状況を確認
  • 診断書の内容:人工肛門造設日、原疾患の経過、日常生活への影響が正確に記載されているか
  • 病歴・就労状況等申立書:発症から現在までの経過を時系列で具体的に記載
  • 他の障害との併合:排尿障害など他の症状もある場合は併せて申告

よくある質問

Q. 一時的な人工肛門でも対象になりますか?

一時的に造設し、後日閉鎖する予定がある場合でも、造設から6か月以上経過していれば認定の対象となる場合があります。ただし、閉鎖手術が行われた後は支給が停止される可能性があります。

Q. 仕事をしていても受給できますか?

就労していることだけを理由に不支給となるわけではありません。特に3級は労働に制限がある状態を想定した等級のため、働きながら受給している方もいらっしゃいます。

Q. がんが再発した場合はどうなりますか?

原疾患の悪化や再発により症状が重くなった場合は、額改定請求によって等級が上がる可能性もあります。状況の変化があれば、改めて専門家に相談するとよいでしょう。

専門家への相談がおすすめです

人工肛門の障害年金申請は、初診日の証明や診断書の内容、特例の活用など、専門的な知識が求められる場面が多くあります。書類の不備や記載内容の不足によって、本来認定されるはずの等級より低く判定されたり、不支給となってしまうケースも少なくありません。

申請に不安がある方や、ご自身のケースで受給可能性を知りたい方は、障害年金を専門とする社労士への相談をおすすめします。社労士に依頼する場合の着手金は2〜5万円程度が相場ですが、初診日の証明が困難なケースなど、状況によって金額は異なります。多くの事務所で無料相談を行っていますので、まずは気軽に問い合わせてみるとよいでしょう。

まとめ

人工肛門(ストーマ)を造設された方は、障害年金の3級以上に認定される可能性があります。障害基礎年金2級なら年額847,300円、1級なら年額1,059,125円が支給され、厚生年金加入者であれば障害厚生年金が上乗せされます。また、造設から6か月経過した日を障害認定日とする特例があるため、申請のタイミングも重要です。ご自身の症状や経過に不安がある方は、ぜひ早めに障害年金の専門家にご相談ください。適切なサポートを受けることで、安心して治療と生活に向き合うことができるはずです。

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