「糖尿病で長年通院しているけれど、障害年金の対象になるの?」「人工透析が始まったら申請できると聞いたけど、本当?」――内科疾患は外見からは分かりにくいため、障害年金の対象になることを知らない方も多くいらっしゃいます。実は糖尿病や腎臓病などの内科疾患も、一定の基準を満たせば障害年金を受給できる可能性があります。この記事では、内科疾患で障害年金を申請する際のポイントを、社労士の視点から分かりやすく解説します。
内科疾患は障害年金の対象になる?
目次
障害年金というと、手足の麻痺や視覚・聴覚の障害をイメージする方が多いかもしれません。しかし実際には、糖尿病、腎臓病、肝臓病、心疾患、呼吸器疾患などの内科疾患も対象となっています。
内科疾患の場合、症状の重さだけでなく「日常生活や労働にどの程度の支障があるか」が重要な判断基準になります。検査数値が一定の基準を超えていることに加え、自覚症状や生活への影響も総合的に評価されます。
障害年金の金額(令和8年度)
- 障害基礎年金1級:年額 1,059,125円(月額約88,260円)
- 障害基礎年金2級:年額 847,300円(月額約70,608円)
厚生年金加入中に初診日がある方は、これに加えて障害厚生年金が支給される場合があります。3級や障害手当金(一時金)も厚生年金独自の制度として用意されています。
糖尿病で障害年金が認められるケース
糖尿病そのものよりも、糖尿病による合併症で申請するケースが多く見られます。
糖尿病で対象となりやすい状態
- 糖尿病性腎症による人工透析
- 糖尿病性網膜症による視力障害
- 糖尿病性神経障害による感覚・運動機能の低下
- 重症低血糖を頻繁に起こし、就労に支障がある状態
- インスリン治療を行っても血糖コントロールが極めて困難な状態
特に重症低血糖については、検査値(C-ペプチド値など)と発作の頻度・程度によって認定される可能性があります。
腎臓病・人工透析と障害年金
腎臓病は障害年金の認定が比較的明確な疾患のひとつです。
人工透析を受けている場合
慢性腎不全で人工透析療法を受けている方は、原則として2級に該当するとされています。透析開始日が初診日から1年6か月以内であっても、その日が障害認定日となる特例があります。
透析前でも対象になる場合
透析に至っていなくても、検査値(クレアチニン、eGFRなど)と日常生活の状況によっては3級や2級に認定される可能性があります。
申請時のチェックポイント
1. 初診日を正確に特定する
内科疾患は徐々に進行することが多く、最初に受診した医療機関の特定が難しいケースがあります。健康診断で異常を指摘された日や、最初に内科を受診した日が初診日となる場合があります。
2. 診断書の内容を確認する
診断書には検査数値と日常生活・労働への支障の両方が記載される必要があります。医師に症状や困りごとを正確に伝えることが大切です。
3. 病歴・就労状況等申立書を丁寧に
発症から現在までの経過、治療内容、生活への影響を時系列で具体的に記載します。倦怠感や易疲労感など、外見では分かりにくい症状こそ詳しく書きましょう。
よくある質問
Q. 仕事をしていても受給できますか?
働いていることだけを理由に不支給になることはありません。ただし、就労状況は審査の参考にされるため、業務内容や勤務時間、職場での配慮なども記載しておくと良いでしょう。
Q. 複数の合併症がある場合はどうなりますか?
複数の障害がある場合は「併合認定」により、より上位の等級に認定される可能性があります。糖尿病性腎症と網膜症が同時にある場合などが該当します。
専門家への相談をおすすめします
内科疾患の障害年金申請は、検査数値の解釈、初診日の証明、合併症の取り扱いなど、専門的な判断が求められる場面が多くあります。書類の不備や記載内容によって、本来受給できるはずの年金が認められないケースも少なくありません。
社労士に依頼する場合、着手金は2〜5万円程度が相場となっており、初診日の証明が困難なケースなど状況によって金額は異なります。無料相談を行っている社労士事務所も多いので、まずは気軽に相談してみることをおすすめします。
まとめ
糖尿病や腎臓病などの内科疾患も、障害年金の対象となる可能性があります。特に人工透析を受けている方、糖尿病の合併症で日常生活に支障がある方は、申請を検討する価値があります。
申請にあたっては、初診日の特定、適切な診断書の取得、丁寧な申立書の作成が成功の鍵となります。一人で悩まず、障害年金に詳しい社労士などの専門家に相談しながら進めることで、適正な受給につながる可能性が高まります。ご自身やご家族の生活を支える大切な制度ですので、ぜひ前向きに検討してみてください。
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