基礎年金と厚生年金はどう違う?

「障害年金には種類があるって聞いたけど、自分はどちらに該当するの?」「もらえる金額はどのくらい違うの?」——障害年金を検討する方からよくいただく質問です。障害年金には大きく分けて障害基礎年金障害厚生年金の2種類があり、対象者や金額、等級の幅などに大きな違いがあります。この記事では、両者の違いを分かりやすく整理し、申請を検討する際のチェックポイントもご紹介します。

障害年金の2つの種類とは?

障害年金は、病気やケガで日常生活や仕事に支障が出た方を支える公的年金制度です。受給できる年金の種類は、初診日(その傷病で初めて医師の診療を受けた日)にどの年金制度に加入していたかで決まります。

  • 障害基礎年金:初診日に国民年金に加入していた方(自営業、専業主婦・主夫、学生、無職の方など)が対象
  • 障害厚生年金:初診日に厚生年金に加入していた方(会社員、公務員など)が対象

つまり、初診日に厚生年金に加入していた会社員の方は、障害厚生年金に加えて障害基礎年金も受け取れる仕組みになっています(2階建て構造)。

障害基礎年金と障害厚生年金の主な違い

1. 対象となる等級の幅が違う

障害年金には等級があり、症状の重さによって決まります。

  • 障害基礎年金:1級・2級のみ
  • 障害厚生年金:1級・2級・3級、さらに障害手当金(一時金)も

厚生年金に加入していた方は、比較的軽い障害でも3級として認定される可能性があり、保障の範囲が広いのが特徴です。

2. 受給できる金額が違う

令和8年度の障害基礎年金の金額は以下の通りです。

  • 障害基礎年金1級:年額1,059,125円(月額約88,260円)
  • 障害基礎年金2級:年額847,300円(月額約70,608円)

障害厚生年金は、これに加えて加入期間や報酬額に応じた金額が上乗せされます。1級・2級の場合は障害基礎年金と障害厚生年金の両方が受け取れるため、受給総額は大きくなる傾向があります。

3. 加算される手当の違い

家族構成によって加算される手当も異なります。

  • 障害基礎年金:18歳到達年度末までのがいる場合に「子の加算」
  • 障害厚生年金:1級・2級の場合、生計維持されている配偶者がいると「配偶者加給年金」

自分はどちらの対象?よくある疑問

Q. 退職後に症状が悪化した場合はどうなる?

判断のポイントは「初診日」です。会社員時代に初診日があれば、すでに退職していても障害厚生年金の対象になる可能性があります。

Q. 専業主婦(主夫)でも受給できる?

はい、可能性があります。配偶者の扶養に入っている第3号被保険者は国民年金加入者として扱われるため、障害基礎年金の対象となります。

Q. 障害厚生年金の3級ってどのくらいの状態?

労働に著しい制限を受ける程度の障害が目安とされていますが、傷病ごとに細かい認定基準があります。「働けているけれど制限がある」という方も該当する場合があります。

申請前に確認したいチェックポイント

  • 初診日を特定できる資料はあるか(診察券、お薬手帳、医療記録など)
  • 初診日時点でどの年金制度に加入していたか
  • 保険料納付要件を満たしているか(一定期間の納付または免除が必要)
  • 診断書を作成してもらう医師との連携はとれているか

特に初診日の証明は申請の最大のハードルとなることが多く、カルテの保存期間(5年)を過ぎていると証明が難しくなるケースもあります。

専門家への相談も検討を

障害年金の制度は複雑で、ご自身が「障害基礎年金」と「障害厚生年金」のどちらに該当するか、また加算や併給の仕組みを正しく理解するのは簡単ではありません。書類の不備や初診日の証明の難しさから、不支給となってしまうケースも少なくありません。

判断に迷う場合は、障害年金を専門とする社会保険労務士(社労士)への相談をおすすめします。着手金の相場は2〜5万円程度(初診日の証明が困難なケースなど状況により異なります)で、申請書類の作成サポートから医師との連携まで一貫して支援を受けられるのが大きなメリットです。

まとめ

障害基礎年金と障害厚生年金の違いは、初診日にどの年金制度に加入していたかによって決まります。障害厚生年金は3級や障害手当金まで対象範囲が広く、報酬比例の上乗せもあるため、保障が手厚いのが特徴です。一方、障害基礎年金は1級・2級が対象で、令和8年度は1級が年額1,059,125円、2級が年額847,300円となっています。

ご自身がどちらに該当するか、いくら受け取れる可能性があるかを正確に把握するためにも、まずは初診日と加入状況を確認し、不安があれば専門家に相談してみましょう。適切な情報と準備が、安心した申請への第一歩です。

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