障害年金1級2級3級の違い

障害年金の申請を考えるとき、多くの方が最初に疑問に思うのが「自分はどの等級に該当するのか」という点ではないでしょうか。障害年金には1級・2級・3級という区分があり、等級によって受け取れる金額や、そもそも受給できるかどうかが変わってきます。この記事では、各等級の違いと認定基準について、具体例を交えながら丁寧に解説します。

障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」がある

等級の話に入る前に、まず押さえておきたいのが障害年金の種類です。障害年金は大きく分けて2つあります。

  • 障害基礎年金:国民年金加入中に初診日がある場合に対象となる年金。1級と2級のみが支給対象です。
  • 障害厚生年金:厚生年金加入中(会社員・公務員など)に初診日がある場合に対象となる年金。1級・2級・3級のすべてが支給対象で、さらに軽い障害の場合は「障害手当金(一時金)」もあります。

つまり、3級は厚生年金に加入していた方だけが受給できるという大きな特徴があります。同じ障害の状態でも、初診日がいつ・どの年金制度に加入していた時期だったかによって、受給可否が変わるのです。

障害等級1級・2級・3級の違いとは

1級:日常生活がほぼできない状態

1級は最も重い等級で、「他人の介助を受けなければ日常生活のほとんどを送れない状態」が目安です。具体的には、ベッド周辺で生活が完結し、活動範囲が極めて限られているようなケースが該当します。

令和8年度の障害基礎年金1級は年額1,059,125円(月額約88,260円)です。障害厚生年金1級の場合は、これに加えて報酬比例の年金額の1.25倍が支給されます。

2級:日常生活に著しい制限がある状態

2級は「必ずしも他人の介助を必要としないが、日常生活が極めて困難で、労働により収入を得ることができない状態」とされます。家の中での軽い活動はできても、外出や就労には大きな困難を伴うレベルです。

令和8年度の障害基礎年金2級は年額847,300円(月額約70,608円)です。お子さんがいる場合は子の加算もあります。

3級:労働に著しい制限がある状態(厚生年金のみ)

3級は「労働が著しい制限を受けるか、または労働に著しい制限を加えることを必要とする状態」が基準です。日常生活はある程度送れるものの、仕事をする上で大きな支障があるレベルと考えるとイメージしやすいでしょう。

3級は障害厚生年金のみに設定されており、最低保障額が定められています。

等級ごとの認定基準(傷病別の例)

精神疾患(うつ病・統合失調症・発達障害など)の場合

  • 1級:常時の援助が必要で、身の回りのことがほぼできない
  • 2級:日常生活に著しい制限があり、就労が困難
  • 3級:就労に制限があり、配慮された環境でしか働けない

身体障害(肢体・視覚・聴覚など)の場合

身体障害は数値基準が比較的明確です。たとえば視覚障害の2級は「両眼の視力の和が0.05以上0.08以下」、聴覚障害の2級は「両耳の聴力レベルが90デシベル以上」といった具体的な基準があります。

内部疾患(心疾患・腎疾患・がんなど)の場合

検査数値(クレアチニン値、心電図所見など)と日常生活への影響を総合的に判断します。透析を受けている方は原則2級に該当する可能性が高い、というのも代表的な目安の一つです。

等級認定で見られるポイント・チェックリスト

等級の判断は、医師が作成する診断書と本人が作成する病歴・就労状況等申立書を中心に行われます。以下のポイントは特に重要です。

  • 食事・着替え・入浴・清潔保持といった日常生活動作がどの程度自力でできるか
  • 就労の状況(働けているか、休職中か、配慮を受けているか)
  • 通院や服薬の状況、症状の変動
  • 家族の支援を受けているかどうか
  • 診断書と申立書の内容に齟齬がないか

「できる日もあれば、できない日もある」という症状の方は、調子の悪い日を基準に記載することが大切です。診断書にも実態が反映されるよう、診察時に普段の生活状況をきちんと医師に伝えることをおすすめします。

よくある質問

Q. 身体障害者手帳の等級と障害年金の等級は同じですか?

いいえ、別の制度です。手帳が2級でも障害年金は不支給となる場合もあれば、その逆もあります。判定の基準が異なるため、混同しないようご注意ください。

Q. 等級は途中で変わることがありますか?

はい、定期的な「更新(再認定)」があり、症状の改善や悪化により等級が変更されたり、支給停止になったりすることがあります。逆に、症状が悪化した場合には「額改定請求」を行うことで、上位等級への変更を求めることも可能です。

申請を考えている方へのアドバイス

障害年金の等級認定は、書類の書き方ひとつで結果が変わることもある繊細な手続きです。特に精神疾患や内部疾患は、客観的な数値だけで判断しにくいため、診断書と申立書の整合性が極めて重要になります。

「自分はどの等級に該当しそうか分からない」「過去に申請して不支給だった」という方は、障害年金を専門に扱う社労士への相談をおすすめします。着手金は事務所や案件の難易度によって異なりますが、おおむね2〜5万円程度が相場です。初診日の証明が困難なケースなどでは費用が変わることもあります。

まとめ

障害年金の等級は、1級が最も重く、2級、3級と続きます。障害基礎年金は1級・2級のみ、障害厚生年金は1級・2級・3級と障害手当金まで対象となるのが大きな違いです。等級は日常生活や労働への制限の度合いによって判断され、診断書と申立書の内容が非常に重要となります。ご自身の状態がどの等級に該当する可能性があるか判断に迷う場合は、無理に一人で抱え込まず、専門家に相談しながら進めていくと安心です。この記事が、あなたの一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。

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