脳梗塞・脳出血と障害年金

脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患は、ある日突然発症し、麻痺や言語障害など日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。「リハビリを続けているが、仕事に戻れない」「家族の介護が必要になった」――そんな状況で経済的な不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。実は、脳血管疾患による後遺症は障害年金の対象となる場合があります。この記事では、脳梗塞・脳出血と障害年金について、認定基準や申請のポイントを詳しく解説します。

脳血管疾患による障害年金とは

脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの脳血管疾患により、身体機能や言語機能、認知機能などに障害が残った場合、障害年金の受給対象となる可能性があります。脳血管疾患による障害は、後遺症の現れ方によって複数の認定区分に該当することが特徴です。

主な認定区分

  • 肢体の障害:片麻痺、四肢麻痺などによる運動機能障害
  • 言語機能の障害:失語症、構音障害など
  • そしゃく・嚥下機能の障害:摂食・嚥下困難
  • 精神(高次脳機能障害):記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害など

複数の障害が併存する場合は、それぞれを総合的に評価する「併合認定」が行われることもあります。

受給できる年金額はいくら?

令和8年度の障害基礎年金の金額は以下のとおりです。

  • 障害基礎年金1級:年額 1,059,125円(月額約88,260円)
  • 障害基礎年金2級:年額 847,300円(月額約70,608円)

初診日に厚生年金に加入していた方は、これに加えて障害厚生年金が支給され、3級や障害手当金(一時金)の対象となる場合もあります。また、子や配偶者がいる場合は加算がつくこともあります。

脳血管疾患の認定基準のポイント

1. 障害認定日の特例

通常、障害年金は初診日から1年6か月経過した日が「障害認定日」となりますが、脳血管疾患には特例があります。初診日から6か月経過した日以後に、医師が「症状固定」と判断した場合、その日を障害認定日として申請できる可能性があります。早期の申請が認められるケースもあるため、主治医とよく相談しましょう。

2. 肢体の障害の認定基準

麻痺の程度は、関節可動域や筋力、日常生活動作(ADL)の状況から評価されます。「一人で立ち上がれるか」「階段の昇降ができるか」「箸を使えるか」など、具体的な動作の可否がポイントになります。

3. 高次脳機能障害は見落とされやすい

身体麻痺は目に見えても、記憶障害や注意障害といった高次脳機能障害は周囲から気づかれにくい障害です。診断書に高次脳機能障害の状態が正確に記載されているかは、認定結果を大きく左右します。

申請時のチェックポイント

  • 初診日の証明:救急搬送された病院のカルテが残っているか確認しましょう
  • 診断書の内容:後遺症のすべて(麻痺・言語・高次脳機能など)が反映されているか
  • 病歴・就労状況等申立書:発症からの経過、現在の生活状況を具体的に記載
  • 日常生活の困難さ:家族の介助内容や仕事への影響を具体的に伝える
  • 保険料納付要件:初診日の前々月までの納付状況を確認

よくある質問

Q. 若くても受給できますか?

はい。近年は40〜50代での発症も増えており、年齢にかかわらず保険料納付要件などを満たせば受給できる可能性があります。

Q. リハビリで回復してきたら受給できない?

申請時点での障害の状態で判断されます。回復途上であっても、症状固定と判断された時点の状態で認定される場合があります。

Q. 仕事に復帰したら年金は止まりますか?

障害基礎年金は就労していても受給できる場合があります。ただし更新時に障害状態が軽くなったと判断されると等級変更や支給停止の可能性もあります。

専門家への相談をおすすめします

脳血管疾患は後遺症が多岐にわたるため、診断書の記載内容や認定区分の判断が複雑になりがちです。特に高次脳機能障害は適切な評価を受けるための工夫が必要です。ご自身やご家族だけでの申請が不安な場合は、障害年金に詳しい社会保険労務士(社労士)への相談をおすすめします。初回無料相談を実施している事務所も多くありますので、まずは気軽に問い合わせてみましょう。

まとめ

脳梗塞や脳出血による後遺症は、障害年金の受給対象となる可能性があります。肢体の障害だけでなく、言語障害や高次脳機能障害も認定の対象です。脳血管疾患には初診日から6か月で申請できる特例もあるため、早期に検討することが大切です。診断書の内容や日常生活の状況を正確に伝えることが認定のカギとなります。一人で悩まず、医療機関や社労士などの専門家のサポートを活用しながら、生活を支える制度をしっかり活用していきましょう。

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