化学物質過敏症で2級認定

化学物質過敏症で2級認定

喘息で障害年金3級認定後、化学物質過敏症で2級へ見直され年額約150万円を受給できた事例

相談者

  • 性別:男性
  • 年齢層:30代
  • 家族構成:妻
  • 加入年金:共済年金
  • 当初の傷病名:喘息
  • 再検査後の傷病名:化学物質過敏症
  • 当初の認定内容:障害共済年金3級
  • 見直し後の認定内容:障害共済年金2級相当
  • 年間受給額:約60万円から約150万円へ増額
  • 遡及支給額:過去5年分の差額として約240万円

相談時の状況

今回ご相談いただいたのは、共済年金に加入されていた30代男性です。ご本人は以前から喘息として治療を受けており、障害年金では3級として認定されていました。しかし、実際の症状は非常に重く、日常生活や就労への影響を考えると、2級相当ではないかと感じられる状態でした。

その後、再度精密検査を受けたところ、これまで喘息と考えられていた症状の背景に、化学物質過敏症があることが診断されました。化学物質過敏症は、柔軟剤、香料、洗剤、建材、排気ガス、薬品など、身の回りのさまざまな化学物質に反応し、呼吸困難、倦怠感、頭痛、めまい、動悸、集中力低下など、多様な症状が出ることがあります。

ご本人は、共済年金加入中にすでに重い症状があり、本来は2級相当の状態であった可能性があることから、喘息としての3級認定を化学物質過敏症として見直すことはできないか、また、障害年金2級への額改定申請ができないかというご相談で、名東障害年金サポート事務所にお問い合わせくださいました。

喘息で障害年金3級を受給している方の中には、「一度決定した等級は変えられないのではないか」「別の病名が判明しても過去の認定は見直されないのではないか」と不安に思われる方も少なくありません。今回のケースでは、過去の診療経過、現在の症状、化学物質過敏症としての医学的根拠をどのように整理して共済側へ伝えるかが大きな課題となりました。

相談から請求までのサポート

今回の障害年金申請で最も重要だったのは、当初「喘息」として認定されていた症状が、実は化学物質過敏症による症状であった可能性を、過去の診療記録から丁寧に立証することでした。

幸いにも、ご本人は初診日から現在まで同一の医療機関に通院されていました。そのため、過去のカルテを取り寄せ、約15年にわたる診療経過を詳細に確認しました。カルテには、呼吸器症状だけでなく、化学物質への反応をうかがわせる記録や、日常生活上の制限、症状の重さを示す記載が残されていました。

名東障害年金サポート事務所では、これらの診療記録を時系列で整理し、化学物質過敏症として障害年金の審査を受けられる可能性について主治医へ相談しました。その結果、主治医にも制度趣旨や申請の必要性をご理解いただき、化学物質過敏症としての症状、重症化の経過、生活上の支障について意見書を作成していただくことができました。

当初は、喘息から化学物質過敏症への傷病名の整理、さらに3級から2級への等級見直しという複雑な申請でした。そのため、単なる額改定請求にとどまらず、過去の決定内容の見直しも視野に入れた形で、共済へ裁定請求を行いました。

提出後、共済側では、過去に遡って認定内容を見直すかどうかについて慎重な審査が行われました。これは通常の障害年金申請と比べても非常に異例の対応であり、審査の過程で複数回にわたり返戻がありました。

返戻では、追加の診断書、主治医の追加意見書、化学物質過敏症に関する特別問診、カルテ開示、過去10年間の日常生活状況、症状の推移、検査結果に関する照会など、非常に多岐にわたる資料の提出を求められました。特に化学物質過敏症は、症状の個人差が大きく、一般的な検査結果だけでは生活上の困難が伝わりにくい傷病です。そのため、医学的資料だけでなく、日常生活においてどのような環境制限があるのか、外出や就労にどのような支障があるのかを具体的に説明することに力を入れました。

4回にもおよぶ返戻対応では、ご本人の過去の生活状況を丁寧に聞き取り、カルテ内容と照合しながら、症状の一貫性や重症度が伝わるよう資料を整えました。また、主治医にも追加意見書の作成を依頼し、化学物質過敏症による症状が長期にわたって継続していたこと、当初から2級相当の状態であった可能性があることを医学的な観点から補足していただきました。

共済担当者の方にも真摯に審査対応をしていただき、提出資料の内容について一つひとつ確認が進められました。ご本人も、長期間にわたる審査の中で不安を抱えながらも、決してあきらめず、必要な資料収集や聞き取りに粘り強く協力してくださいました。

結果

申請から約1年半、最終的にはおよそ2年にもおよぶ慎重な審査を経て、障害年金2級相当への見直しが認められました。当初、喘息による障害共済年金3級として年額約60万円だった年金額は、配偶者加算を含めて年額約150万円へ増額されました。

さらに、過去5年に遡って差額が支給されることになり、遡及分として約240万円の受給も決定しました。ご本人にとっては、長年苦しんできた症状が化学物質過敏症として適切に評価され、生活を支える大きな経済的基盤を得られる結果となりました。

今回の事例では、主治医が障害年金制度を理解し、意見書作成などに協力してくださったこと、共済担当者が複雑な申請内容に対して真摯に審査対応をしてくださったこと、そして何よりご本人があきらめずに申請を続けたことが、2級認定と過去5年分の差額支給につながった大きな要因でした。

喘息として障害年金3級に認定されている場合でも、後から化学物質過敏症など別の傷病が判明し、過去の症状との関連性が医学的に説明できる場合には、等級の見直しや過去の決定の見直しにつながる可能性があります。ただし、このような申請は非常に専門性が高く、カルテの分析、主治医への説明、意見書の取得、返戻対応などを丁寧に進める必要があります。

名古屋市名東区や愛知県内で、化学物質過敏症、喘息、呼吸器疾患、共済年金での障害年金申請、障害年金の額改定請求、過去の認定内容の見直しをご検討中の方は、名東障害年金サポート事務所へご相談ください。障害年金専門の社会保険労務士が、初診日の確認、カルテ分析、診断書・意見書の取得、病歴・就労状況等申立書の作成、共済への返戻対応まで丁寧にサポートいたします。

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山口 高弘
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