「障害年金を受け取りながら働くことはできるの?」「働き始めたら年金が止まってしまうのでは?」——障害年金を検討する方から最も多く寄せられる質問のひとつが、就労と受給の関係についてです。結論から言えば、働きながら障害年金を受給することは可能です。ただし、障害の種類や等級によっては就労状況が審査に影響する場合があります。この記事では、就労と障害年金の関係について詳しく解説していきます。
働きながらでも障害年金は受給できる
目次
障害年金は「働いていたら受給できない」というわけではありません。実際、多くの方が就労しながら障害年金を受け取っています。受給の可否は、あくまで障害の状態が認定基準を満たしているかで判断されます。
令和8年度の障害基礎年金額は以下の通りです。
- 障害基礎年金1級:年額 1,059,125円(月額約88,260円)
- 障害基礎年金2級:年額 847,300円(月額約70,608円)
これらの金額は、就労収入とは別に支給されます。つまり、給与と年金の両方を受け取ることができるのです。
所得制限はある?
原則として、障害厚生年金や通常の障害基礎年金には所得制限はありません。ただし、20歳前傷病による障害基礎年金(20歳になる前の傷病で受給するケース)には所得制限があり、所得が一定額を超えると年金の半額または全額が支給停止となる場合があります。
就労が審査に影響するケース
すべての障害で就労状況が同じように評価されるわけではありません。傷病によって、就労が審査に与える影響は異なります。
就労状況が重視されやすい傷病
- 精神障害(うつ病、統合失調症、発達障害など)
- 知的障害
- 高次脳機能障害
これらの傷病では、日常生活能力や社会生活能力の判断材料として、就労形態・労働時間・職場での援助の有無などが重要視されます。一般雇用でフルタイム勤務している場合、症状が軽いと判断される可能性もあります。
就労状況の影響が比較的少ない傷病
- 人工透析、人工関節、人工肛門など、客観的な医学的事実で等級が判断される傷病
- がん、心疾患、呼吸器疾患などの内部障害(検査数値が重視される)
精神障害で働いている場合のポイント
精神障害の方が就労しながら障害年金を申請・受給する際は、以下のポイントを押さえることが大切です。
障害者雇用と一般雇用の違い
障害者雇用枠で働いている場合、職場で配慮や援助を受けていることが評価され、就労していても受給できる可能性があります。一方、一般雇用でフルタイム勤務している場合は、より詳細な就労状況の説明が求められる傾向にあります。
診断書に記載してもらうべき内容
- 労働時間・勤務日数
- 仕事内容と職場での配慮事項
- 欠勤や早退の頻度
- 同僚や上司からのサポートの有無
- 就労による疲労や症状悪化の状況
「働けている」という表面的な事実だけでなく、どのような配慮や援助のもとで就労できているのかを具体的に伝えることが重要です。
受給後に働き始めた場合の注意点
障害年金を受給中に就労を開始する、または労働時間を増やす場合は、次の更新時期(障害状態確認届の提出時)に就労状況を申告することになります。就労によって障害状態が改善したと判断されると、等級が下がったり支給停止になる可能性があります。
更新時のチェックポイント
- 主治医に普段の症状や生活状況を正確に伝えているか
- 診断書に職場での配慮内容が反映されているか
- 就労してもなお残る生活上の困難さが伝わっているか
よくある質問(Q&A)
Q. アルバイトやパートでも年金は止まりますか?
A. アルバイト・パートだから止まるということはありません。ただし、勤務時間や仕事内容、症状との関係などが総合的に判断されます。
Q. 在宅ワークやフリーランスは影響しますか?
A. 働き方に関わらず、障害状態が認定基準を満たしているかで判断されます。在宅ワークであれば、外出が困難であることや作業時間の制限など、症状による影響を具体的に伝えましょう。
Q. 就労継続支援A型・B型での就労は?
A. 福祉的就労は一般就労よりも援助度が高いとみなされ、受給に有利に働く傾向があります。
専門家への相談がおすすめ
就労しながらの障害年金申請は、診断書の記載内容や病歴・就労状況等申立書の書き方が結果を大きく左右します。特に精神障害の場合は専門的な知識が必要となるため、社会保険労務士(社労士)への相談をおすすめします。社労士に依頼する際の着手金は2〜5万円程度が目安ですが、初診日の証明が困難なケースなど、状況により金額が異なります。多くの社労士事務所では初回相談を無料で受け付けています。
まとめ
働きながら障害年金を受給することは十分に可能です。ただし、傷病の種類や就労形態によっては審査への影響が異なるため、自分のケースに合わせた対応が必要です。重要なのは、就労していても残る生活上の困難さや、職場での配慮の必要性を正確に伝えること。一人で悩まず、社労士などの専門家のサポートを受けながら、自分らしい働き方と生活の安定を両立させていきましょう。
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